2010年日語N2真題及答案12月

第一部分 言語知識(文字・語彙)

問題1 ___の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

1 今回のマラソン大会は、過去最大の規模で行われた。
1きぼ       
2ぎぼ     
3きも  
4ぎも 

2 異文化に触れたのがきっかけで、この仕事を始めた。
1ふれた  
2なれた  
3めぐまれた 
4あこがれた

3 話し合いでは、少数意見も尊重しよう。
1けいちょう  
2けいじょう
3そんちょう
4そんじゅう

4 けがの治療に2か月かかった。
1じりょ  
2ちりょ  
3じりょう
4ちりょう

5 花屋の隣に空き地があります。
1うら      
2となり  
3そば     
4むかい

問題2 ___の言葉を漢字で書くとき、最もよいものを1・2・3・4からひとつ選びなさい。

6 来月、スポーツ大会がかいさいされる。
1開催   
2開幕    
3開演    
4開講

7 小(こ)林(ばやし)さんはたよりになる人だ。
1依り
2任り
3頼り
4援り

8 最近忙しくて生活のリズムがみだれている。
1破れて  
2乱れて 
3荒れて    
4暴れて

9 東京駅までのうんちんはいくらですか。
1運貸
2運費
3運賃
4運貨

10 近くの公園でドラマのさつえいが行われた。
1録映  
2撮映
3録影  
4撮影

問題3 (   )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4からひとつ選びなさい。

11 昨日の試合は、私たちのチームが2(   )1で勝った。
1反      
2比       
3差       
4対

12 一年前のテレビドラマが、来週から(   )放送される。
1改     
2再      
3更    
4復

13 このレストランは予約(   )です。
1則    
2法    
3制   
4系

14 この大学は就職(   )が高い。
1率       
2割       
3度       
4倍

15 今は(   )制度からの移行時期だ。
1先
2旧
3昔
4元

問題4 (   )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4からひとつ選びなさい。

16 あの町の人口は(   )減少している。
1軽(かる)々(がる)と
2順(じゅん)々(じゅん)に 
3徐(じょ)々(じょ)に
4細(ほそ)々(ぼそ)と

17 最近、物価が(   )している。
1増加  
2上達      
3増大     
4上昇

18 多くの人が旅行する(   )は、飛行機のチケットが高い。
1シリーズ  
2タイム    
3シーズン    
4チャンス

19 私の上司はとても(   )で、今まで怒ったのを見たことがない。
1優良  
2温暖     
3良性      
4温厚

20 この数ヶ月、新しいゲームが(   )発売されている。
1相次いで 
2 間もなく    
3ぐんぐん 
4すいすい

21 池(いけ)田(だ)さんはまじめすぎて、冗談が(   )。
1当たらない 
2 渡らない  
3構わない 
4通じない

22 このホテルの宿泊料金には、朝食も(   )いる。
1含(ふく)まれて 
2納(おさ)められて 
3割(わ)り込(こ)まれて  
4詰(つ)め込(こ)まれて

問題5 ___の言葉に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

23 あまり勝手なことは言わないでください。
1わがままな    
2うるさい    
3消極的な    
4情けない

24 あの人はたびたび夜遅くに電話をかけてくる。
1たまに  
2何度も  
3たいてい   
4突然

25 この靴はぶかぶかだ。
1とても重い           
2とても小さい
3とても軽い           
4とても大きい

26 同じ分野の専門家でも、立場によって見解が異なる。
1教え方  
2調べ方  
3考え方    
4決め方

27 先週、車をレンタルした。
1修理した 
2借りた  
3検査した  
4買った

問題6 次の言葉の使い方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

28 はずす
1 歯医者で虫歯をはずしてもらった。
2 腕時計をはずして、机の上に置いた。
3 家に入る前に、靴の汚れをはずした。
4 食事の後、テーブルから皿をはずした。

29 普及
1 携帯電話は急速に普及してきている。
2 今、若者の間ではこんなうわさが普及している。
3 この病気は人から人へ普及する可能性がある。
4 あの大臣の発言は国際問題にまで普及した。

30 注目
1 きれいな眺めに注目して、時間がたつのを忘れた。
2 寝不足で注目が足りないと、仕事でミスが多くなる。
3 来月の選挙の結果が注目されている。
4 この問題を別の注目から見てみよう。

31 ふさわしい
1 中(なか)川(がわ)さんの指摘は、いつもふさわしいです。
2 彼は責任感が強く、この仕事のリーダーにふさわしい。
3 私にふさわしいサイズの帽子がやっと見つかった。
4 私、あの人とは性格がふさわしいんです。

32 保つ
1 山田さんは、いつも約束の時間を保つ人です。
2 一人で全部食べないで、私の分も保っておいてください。
3 あとで捨てるので、ごみはそのまま保っておいていいですよ。
4 健康を保つためには、バランスのいい食事と運動が大切だ。

問題7 次の文の(  )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

33 休日は混雑が予想されますので、お電話でご予約の(   )、ご来店ください。
1あげく    
2あまり      
3うえ     
4ほう

34 新作映画について中(なか)田(た)一(いち)郎(ろう)監(かん)督(とく)は、「現実的で(   )ながらも、詩的な雰囲気を失わないよう意識した。」と語る。
1あり      
2ある       
3なり     
4なる

35 A「これまでありがとう。あなたに会えて本当によかった。元気でね。」
        B「そんな、もう一生会えない(   )言うのはやめてよ。」
1らしく
2みたいに
3らしいって
4みたいっ

26 A「昨日、サッカーの試合見に行ったんでしょ?どうだった?」
        B「それが、ミスの連続でね……。(   )プロの試合とは思えない内容だったよ。」
1なんて
2仮に
3とても
4二度と

37 現在、建設作業はスムーズに進んでいるが、必ずしも最初から順調だった(   )。
1に限らない
2必要はない
3にちがいない
4わけではない

38 (カメラ店で)
        客 「このカメラ直りますか。」
        店員「うーん、こんなにひどく壊れていると、(   )ですね。」
1直しかねない
2直しようがない
3直してはならない
4直してもかまわない

39 「このたびは、私どもの商品発送ミスにより、お客様に大変ご迷惑をおかけしましたことを深く(   )。申し訳ございませんでした。」

1おわび申し上げます
2おわびいただきます
3わびていただきます
4わびていらっしゃいます

40 相手のためと思ってしたことが、実はその人にとって迷惑になっては(   )。
1いないでしょうか
2おかないでしょう
3こないでしょう
4みないでしょうか

41 これは「あお湖(こ)」の写真です。この湖は、季節によってさまざまな景色を水面に映して私たちの目を(   )。
1楽しんでくれます
2楽しんでもらいます
3楽しませてくれます
4楽しませてもらいます

42 わたしの気持ちは、きっとあなたにはわからないだろうし、あなたに(   )。
1わかりたくもない
2わかってほしくもない
3わかりたくはないだろう
4わかってほしくはないだろう

43 さっきご飯を食べた(   )、もうおなかがすいてきた。
1すぐのことだが
2ばかりのことだが
3すぐだというのに
4ばかりだというのに

44 大学を決めるときは、自分が本当にその大学に(   )、じっくり考えることが重要です。
1行こうがどうか
2行きたいというのは
3行こうというのは
4行きたいのかどうか

問題8 次の文の ★ に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

45 (テレビドラマを見ながら)
        弟「このドラマの犯人、誰だと思う?」
        兄「            ★        と思うんだけど、ほかの人もみんな怪しいんだよなあ。」
1中の   
2じゃないか   
3誰か      
4三姉妹の

46 新しいパソコンが欲しいが、            ★        、しばらく様子を見ようと思う。
1悔しいから
2新しいのが出たりしたら
3今あわてて買って
4何か月もしないうちに

47 お互い感情的になっていると、            ★        ものだ。
1うまく
2冷静に話そう
3いかない
4としても

48 彼がそんなことをする人間でないことは、あなたが            ★        。
1はず
2ご存じ
3いちばん
4の

49 田(た)中(なか)監(かん)督(とく)が選手たちに厳(きび)しくするのは、一度は優勝を            ★        だ。
1と
2経験させたい
3からこそ
4願う

第二部分 文法・読解

問題9 次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、50から54の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

以下は、雑誌のコラムである。

    花粉症とうまく付き合う春が訪れ、過ごしやすい季節になりました。しかし最近、 50 花粉症に悩(なや)まされる人が増えています。春は花粉症の季節でもあるのです。

    花粉症とは何でしょうか。花粉症は花粉に対するアレルギー反応で、アレルギー体質の人は花粉症になりやすいと言われています。花粉は体にとって有害なものではありません。しかし、花粉症になりやすい人の体に花粉が入ると、体は花粉を侵(しん)入(にゅう)者(しゃ)だと思って、花粉に対してガードマンのような働きをする「抗(こう)体(たい)」を作り出します。この「抗(こう)体(たい)」が蓄(ちく)積(せき)されて一定の水準になると、花粉を追い出すためにくしゃみや鼻水などのアレルギー症状が現れます。そのくしゃみや鼻水によって花粉を追い出そうとするのです。 51  、花粉に対して体が過(か)剰(じょう)に反応して症状が出るのが花粉症というわけです。

    花粉が多く飛ぶ季節を快適に過ごすために、花粉症の人は規制正しい生活をして、体調管理に努め、とにかく花粉に接しないようにしなければなりません。外出時にはマスクやめがねで花粉が体に入るのを防ぎ、帰宅時には服についた花粉を落としてから、家に 52 。

 実は、今花粉症ではない人も、今後症状が現れる可能性があります。花粉症にならないようにするためには、花粉症の人と同じようになるべく花粉に接しないことが重要です。生活空間に花粉を持ち込まないようにしてください。いつ誰が花粉症になっても不思議ではありません。誰も自分には関係がないとは言えないもの、それが 53 です。

    花粉症の人もそうではない人も、春は過ごし方に少し 54 。

50
1そういう
2それの
3この季節に
4この夏に

51
1このように
2いっぽうで
3ちなみに
4それどころか

52
1入(はい)ってあげるのでしょう
2入(い)れてあげましょう
3入(い)れるのでしょ
4入(はい)りましょう

53
1規則
2有害
3花粉症
4抗(こう)体(たい)

54
1気をつけてみたらどうでしょうか。
2気をつけたほうがいいのでしょうか
3気をつけているそうです
4気をつければよかったです

問題10 次の(1)から(5)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

(1)

森はいつも独特な香りに包まれ、さわやかに感じられるが、それはある物質の効果によるものだ。その物質は、木々が動けない体を守るために自ら作り出すもので、木につく虫や細菌(さいきん)(注)の増加を防いだり、落ち葉や枯(か)れ木(き)が腐(くさ)ったときなどに生じる嫌なにおいを消したりする働きを持っている。さらにその物質には、人間の神経を安定させる効果もあるという。私たちが森林に入るとリラックスした気分になるのは、このためだ。
(注)細菌(さいきん):非常に小さくて目に見えない生物

55 ある物質の働きについて、この文章からわかることは何か。
1 人間の持つ嫌なにおいを防ぐ。
2 人々の気持ちを落ち着かせる。
3 落ち葉や枯(か)れ木(き)を腐(くさ)りにくくする。
4 木々がもともと持っているにおいを消す。

(2)

“練習のための練習”が行われているというチームがたくさんあります。練習は本番(ほんばん)の試合のために存在すべきものです。本番(ほんばん)で最高の実力を発揮(はっき)させるためにすることを、練習と呼びます。すなわち、休養することが試合にとって、今、最もするべきことだとすれば、休養こそ勝つための練習といえるときがあるのです。休養はサボることではなく、時として練習なのです。
(辻秀一『スラムダンク勝利学』による)

56 筆者は、試合で実力を出すために何が大事だと述べているか。
1 “練習のための練習”をすること
2 練習でも最高の力を出すこと
3 必要であれば休養を取ること
4 試合の前に休養を取ること

(3)

大手ハンバーガー店が今月16日から30日まで、新商品がまずかったら全額返金するというキャンペーン(注)を実施する。通信販売などでは、注文した商品が気に入らなければその代金を客に返金するという保証制度は一般的だが、ハンバーガー店のような外食産業では非常に珍(めずら)しい試みだ。味への自信を示すことが目的で、全国で一斉に行われる。返金は当日限りで、期間中1人1回のみ、それから商品を半分以上食べていないことが条件だ。
(注)キャンペーン:ここでは、販売方法

57 大手ハンバーガー店が今月16日から実施するのは次のどれか。
1 新商品がまずければいつでも全額返金する。
2 どの商品でもまずければ条件つきで全額返金する。
3 新商品の味が気に入らなければ条件つきで全額返金する。
4 どの商品でも味が気に入らなければ1回だけ全額返金する。

(4)

 以下は、ある会社が新商品の発表会で来場者に渡した案内である。

ご案内

 本日は東西インテリア新作べッド発表会にご来場くださり、まことにありがとうございます。

 商品購入(こうにゅう)(注1)をご希望のお客様は、受付でお渡ししたご来場者カードに商品番号をご記入いただき、販売スタッフにお渡しください。販売スタッフがお届け先やご希望日をお伺いし、その後、お会計となります。なお、その際に会員証を提示(ていじ)(注2)されますと5%割引とさせていただきます。

 何かご不明な点がございましたら、お気軽に販売スタッフにお声をおかけください。

(注1)購入(こうにゅう):買うこと
(注2)提示(ていじ)する:見せる

58 商品を買いたい場合はどうすればいいか。
1 来場者カードに商品番号と届け先および希望日を記入して販売スタッフに渡した後、代金を支払う。
2 来場者カードに商品番号と配達希望日を記入して販売スタッフに渡し、商品が自宅に届いたときに代金を支払う。
3 商品番号と希望日などを書いた来場者カードを販売スタッフに渡し、商品を届けてもらった後で代金を支払う。
4 商品番号を書いた来場者カードを販売スタッフに渡して配達日などを確認した後、代金を支払う。

(5)

 会社勤めの生活は楽だった。

 楽しくはないが、楽だった。

 ずっと一人で生きてきた後で、集団に入ってみると、その居心地(いごこち)の良さ、安楽さに驚くのである。一人の時は、朝目覚めて寝るまで「何をすべきか」という判断、決定を自分でしなければならない。つまり、それを「自由」というのだが、実力のない者には自由は重すぎる。一日中、選択(せんたく)と決断をし、その結果を自分一人でひき受けねばならない。

(野田知佑『旅へ一新・放浪記1』による)

59 筆者によると、なぜ会社勤めが楽だったのか。
1 実力があれば、自由にできる部分もあるから
2 周囲の協力が得られれば、時間を自由に使えるから
3 自分の能力に適した仕事が与えられ無理がないから
4 自分一人で決めることも責任を取ることもしなくてすむから。

問題11 次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

(1)

 現代は、①時間がどんどん加速されているとも言われます。何事にも「早く、早く」とせかされ(注1)、時間と競争するかのように忙しさに追われていることを、大人たちはこういう言い方をしているのです。いつも同じ速さで時間が流れているはずなのに、時間の間隔(かんかく)が短くなったような気分で追い立てられて(注2)いるためでしょう。それをエンデ(注3)は『モモ』という作品の中で「時間どろぼう」と呼びました。ゆっくり花を見たり音楽を楽しんだりする、そんなゆったりした時間が盗まれていく、という話でした。②いつも何かしていないと気が落ち着かない、現代人はそんなふうになっています。

 その一つの原因は、世の中が便利になり、能率的になって、より早く仕事を仕上げることがより優れていると評価されるようになっているためと思われます。競争が激しくなって、人より早くしなければ負けてしまうという恐れを心に抱くようになったためでしょう。「時間は金なり」となってしまったのです。

 しかし、それでは心が貧しくなってしまいそうです。何も考えずにひたすら決められたことをしていて人生が楽しいはずがありません。ゆっくり歩むからこそ、道ばたに咲く花に気づいたり、きれいな夕日を楽しむ気分になれるのです。私たちは、時間を取り返し、もっとゆったりした時間を生きる必要がありそうですね。

(池内了『時間とは何か』による)

(注1) せかされる:急がされる
(注2) 追い立てられる:ここでは、何かをしないではいられない気持ちにさせられる
(注3) エンデ:ドイツの児童文学者

60 ①時間がどんどん加速されているとはどういうことか。
1 しなければならないことが多くて時間が短く感じられる。
2 何かに夢中になっていると一日の時間が短く感じられる。
3 作業能率が上がって一日の仕事の時間が短くなっている。
4 技術の進歩によって仕事にかかる時間が短くなっている。

61 ②いつも何かしていないと気が落ち着かない原因を筆者はどう考えているか。
1 何もしないと心が貧しくなってしまうと感じること
2 早く何かを仕上げないと他の人に勝てないと思うこと
3 失った時間を取り戻さないと競争に負けてしまうと思うこと
4 奪(うば)われた時間を取り戻さないと人生を楽しめないと感じること

62 筆者は、時間の使い方についてどのように考えているか。
1 時間は貴重なので、休むときにも能率的に過ごしたほうがよい。
2 忙しい中にも、のんびり過ごす時間をできるだけ持ったほうがよい。
3 人生を楽しむためには、ひたすらゆっくり時間を過ごしたほうがよい。
4 人との競争に勝つためには、時間をもっと有効に使うようにしたほうがよい。

(2) 

これはビジネス文書に限ったことではないのだが、何であれ文書を書いていると、少しばかり緊張感(きんちょうかん)を覚えるものだ。書きながら、頭の中でこんなことを考えている。

この書き方でいいのかな。

これ、ひどく下手な書き方じゃないだろうか。

これでわかるかな。

そういう気がしきりに(注1)して、ちょっとしたプレッシャーになっている。だからこそ、文章を書くのは苦手だ、と思っている人もいるのじゃないだろうか。

しかし、その逆もまた真である。文章を書く面白さとは、そういうプレッシャーを感じながら、なんとか諸問題をクリアして、一応のものを書き上げることにあるのだ。

テレビゲームが楽しいのと同じ理屈(りくつ)(注2)である。あれは、攻略(こうりゃく)する(注3)のが簡単ではない様々な障害をかわしながら(注4)、次々に問題を解決していって、なんとかクリアしていくところが面白いのである。むずかしいからこそ、うまくやったときに楽しいのだ。

文章を書くのも、①そういうことである。これでいいのかな、と一抹(いちまつ)の(注5)不安を抱えながら、なんとか書いていくってことを楽しまなければならない。

別の言い方にすると、文章というものは、書く人に対して、うまく書いてくれ、と要求してくるのである。なぜなら、文章とは人と人とのコミュニケーションの道具だからだ。この例外は、自分だけにわかればいいメモと、絶対に他人に見せない日記だけである。

それ以外の文章は、必ず、書く人間のほかに、②読む人間がいて完成されるのだ。そして、書いた人の伝えたかったことが、読んだ人にちゃんとわかってこそ、文章は役をはたしたことになる。

(清水義範『スラスラ書ける!ビジネス文書』による)

(注1) しきりに:何度も
(注2) 理屈:ここでは、考え方
(注3) 攻(こう)略(りゃく)する:うまく解決する
(注4) かわしながら:避けながら
(注5) 一抹の:ほんの少しの

63 筆者は、文章を書くときに何がプレッシャーになっていると述べているか。
1 このまま最後まで書き上げられるか不安だという気持ち
2 読む人が期待する書き方をしているかという気持ち
3 自分は字を書くのが下手だから嫌だという気持ち
4 書きたいことがうまく書けているかという気持ち

64 ①そういうことであるとはどういうことか。
1 様々な障害をクリアしていくことがむずかしい。
2 プレッシャーを忘れ、いろいろ考えるのが楽しい。
3 苦労して問題を片付け、課題を仕上げるのが楽しい。
4 不安を抱えたままでは問題を解決するのがむずかしい。

65 ②読む人間がいて完成されるとはどういうことか。
1 文章の価値を決めるのは読み手の存在だ。
2 文章が成立するには読み手の存在が必要だ。
3 文章は人に読まれることでよりよいものになる。
4 文章は読み手の要求にこたえることでできあがる。

(3)

皆さんは寄付をしたことがあるだろうか。異常気象で食べる物が不足して困っている人や、地震で家を失った人のためにわずかながらもお小遣(こづか)いから寄付した経験を持つ人は多いだろう。その寄付に対する考え方に、今、新しい動きが起こっている。

ある会社では、社員食堂で低カロリーの定食を食べると代金の一部が寄付金となって途上国(とじょうこく)(注)の子供たちの食生活を支援する、というシステムを取り入れている。社員としては体調管理につながるだけでなく、人を助けることができ、会社としては社員の健康を支えながら社会貢献(こうけん)ができるので、社員にとっても会社にとっても一石二鳥というわけだ。

また、「寄付つき」の商品を販売する企業も増えている。特定の商品を買うと売り上げの一部が寄付されるというもので、他の商品と比べるとやや値段は高いが、商品を買えば、同時に寄付できるという手軽さが消費者に歓迎され、売り上げを伸ばしているという。

これまでの寄付はわざわざ募金の場所へ足を運んだり、銀行からお金を振(ふ)り込(こ)んだりしなければならないものが多く、社会貢献(こうけん)に関心はあっても寄付をするのは面倒だと実際の行動には移さない人も少なくなかった。そこに目をつけたのが新しい寄付の形で、これまでと比べ手軽に寄付できるようになり、社会貢献(こうけん)がしやすくなった。さらに、企業にとっても自社のイメージの向上や売り上げの増加などメリットの多い取り組みとなっている。

このように寄付は慈善(じぜん)のためというばかりでなく、寄付をする側にもプラスになる活動としてとらえ直され始めている。

(注)途上国(とじょうこく):経済成長の途中にある国

66 社員食堂で低カロリーの定食を食べることがどんな良い結果につながるのか。
1 社員の健康が守られ、社会の役に立つことにもなる。
2 社員に定食代の一部が返金され、寄付をする余裕ができる。
3 会社で寄付が日常のことになり、食生活に対する意識も高まる。
4 会社は社会の役に立つことができ、食堂の経費の節約にもなる。

67 この文章では、これまでの寄付にはどのような問題があったと述べているか。
1 寄付をする方法があまり知られていない。
2 寄付をすることが社会的に評価されにくい。
3 寄付をするのに手間がかかるシステムである。
4 寄付をするためには経済的に余裕がなければならない。

68 この文章における新しい寄付とはどういうものか。
1 企業が社員や消費者の意思にかかわりなく積極的に行うもの
2 企業が慈(じ)善(ぜん)事業のためではなく利益(りえき)を上げるために行うもの
3 社員や消費者が手軽に寄付ができて企業側にも利点があるもの
4 社員や消費者が気がつかないうちに社会貢献(こうけん)に参加できるもの

問題12 次のAとBの文章を読んで、後ろの問に対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

A

 社会人になったばかりの今、皆さんは仕事の厳(きび)しさや学生時代にはなかったような人間関係の複雑さに驚いているのではないでしょうか。こんなはずではなかったと、抱いていた理想が崩(くず)れそうになることがあるかもしれません。特に、自分とは異なる価値観を持った上司や先輩(せんぱい)から無理な仕事を頼まれたときなど、強くそう感じることでしょう。時には先輩(せんぱい)の言葉につい反発(はんぱつ)(注1)したくなることもあるでしょう。しかし、そんなときにはまず相手の考え方を受け入れてみてください。信頼関係を築くにはある程度の時間が必要であり、その後で自分の考えを述べればよいのです。それまでは自分を抑(おさ)えることも大切で、それが社会人としての訓練でもあります。

B

 人間にとって心身ともに健康であることが理想的だが、新しく社会に出た若者たちは、時にはうまくいかないことに出会い、自信を失うこともあるだろう。経験から言うと、同僚(どうりょう)や先輩(せんぱい)の温かい言葉が耳に入らなくなってしまうのは、そういう、自分に自信がなくなったときであることが多い。その結果、今まで築いてきた人間関係まで壊(こわ)してしまうことさえある。自分の周りの人たちを大切にして、助言(じょげん)(注2)を生かしていく気持ちを持つためには、まず自分のこれまでの努力を肯定的にとらえてみよう。結果が完璧(かんぺき)でなくても、「よくやった」と自分自身に言えると、他の人の言葉も素直(すなお)に聞くことができるようになる。

(注1)反発(はんぱつ)する:言い返す
(注2)助言(じょげん):アドバイス

69 AとBに共通して述べられていることは何か。
1 職場での人間関係を大事にするにはどうすればいいか。
2 職場で自分の努力を認めてもらうにはどうすればいいか。
3 社会人になって職場で自信をなくした時、どうすればいいか。
4 社会に出て周囲の人と自分の考えが違った時、どうすればいいか。

70 AとBでは新社会人にどのようにアドバイスをしているか。
1 Aでは自分の価値観を重視することが大切だと述べ、Bでは自分の努力してきた姿を振り返ることが大切だと述べている。
2 Aでは周りの人に自分の考えを伝えることが大切だと述べ、Bでは相手に認めてもらうことが大切だと述べている。
3 Aでは相手の考えを尊重することが大切だと述べ、Bでは自分の努力を認めることが大切だと述べている。
4 Aでは相手の意見を認めることが大切だと述べ、Bでは周りの人の言葉を聞くことが大切だと述べている。

問題13 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

    「実は、〇〇と関係があるのですよ。それに思いついてできたのです」

    どうしても解けないでいた問題を先に解いた人から言われ、それだったら、自分のほうが経験が豊富だし、知識があるし、「俺(おれ)にもできたはずなのに……」と悔しい思いをすることがある。アイデアにしても、「このぐらいのアイデアだったら、自分が考えついてもおかしくないのに」と思うことは結構、多いものである。

 記憶力には、覚える力と引き出す力の二つがある。いくら覚えても、それを引き出せなければ役に立たない。しかし、覚えていないものは引き出しようがない。つまり、その両方を鍛(きた)えないと、記憶力は生きてこないのである。

 (中略)

 コンピュータは一人の人が覚えきれない、そもそも普通なら出会うこともない膨(ぼう)大(だい)な情報を記憶しており、われわれはそれを検索エンジンによって、検索し引きだせる。しかし、人がある問題解決をしている時は、そうしてコンピュータから引き出した知識が、短期間にせよ自分の頭の中に、それまでもっていた知識とともに記憶構成されなければ役に立たない。

 コンピュータがいくら豊富な知識を内蔵(ないぞう)(注1)していても、人間自身がそうして検索した知識を、覚え、関連づけ、再び引き出すという訓練をしていなければ、宝のもち腐(くさ)れ(注2)である。では、どうしたら、そういう関連して引き出せる記憶とすることができるか?

 記憶力を鍛(きた)えるいろいろな本が書かれているが、残念ながら、私には特効薬(とっこうやく)があるとは思えない。

 が、まず、覚える時に、理解して覚えることである。理解して覚えたことは正しく出てくる。例えば、問題を解く時でも、「あ、これは昨年解いた問題と似た問題だ」と気がついてすらすら解けることがある。しかし、昨年解いた問題をしっかりと理解していないと、関係がわからないために脳(のう)のなかで連結(れんけつ)(注3)することができないのだ。うろ覚え(注4)ではどこかに穴ができて、あとで活用することができない。

 つぎに、どんなことを読んだり聞いたりしても、自分の知っていること、経験したこととの関連を思い浮かべることだ。いつも、「もしそうなら」とその役立ち方について想像を膨(ふく)らませながら新しい知識を覚えることである。それが知識への感受性(かんじゅせい)(注5)をたかめる。

 記憶をアイデアや創造(そうぞう)という問題解決に生かすためには、一つ一つを覚えるときに、「わかった」と「もしそうなら」からスタートすることであろうか。

(金出武雄『素人のように考え、玄人として実行するー問題解決のメタ技術』による)

(注1) 内(ない)蔵(ぞう)する:その中に持っている
(注2) 宝のもち腐(くさ)れである:せっかくいいものでも無(む)駄(だ)になってしまう
(注3) 連結(れんけつ)する:結びつける
(注4) うろ覚え:はっきりと覚えていないこと
(注5) 感受性(かんじゅせい):物を感じとる力

71 筆者は「俺(おれ)にもできたはずなのに……」と述べているが、できなかった理由をどのように考えているか。
1 自分が記憶した方法がその問題の解決に合うものではなかったから
2 自分の今までの経験や知識をその問題と関連づけられなかったから
3 自分の方が経験や知識があると思っていたが実際はそうではなかったから
4 自分では記憶したつもりでいたことが情報として蓄(ちく)積(せき)されていなかったから

72 筆者はコンピュータの例を挙げて何を言おうとしているのか。
1 人間一人一人が持つ情報量はコンピュータの持つ情報量を到底超(こ)えることができない。
2 人間一人一人が持つ記憶力は情報量の豊富なコンピュータを利用することでさらに生かせる。
3 人間が問題を解決する過程は、コンピュータが膨(ぼう)大(だい)なデータから必要な情報を引き出す過程と同じだ。
4 人間が問題を解決するにはコンピュータのように知識や情報を持っているだけでは不十分である。

73 筆者は記憶力を鍛(きた)えるにはどうすればよいと述べているか。
1 新しい知識を理解して覚え、自分が知っていることと関連させる。
2 自分がこれまでに経験したことや膨(ぼう)大(だい)な情報をしっかり理解する。
3 新しい問題を繰(く)り返(かえ)し解いて、自分の理解を確認(かくにん)しながら定義させる。
4 自分が考えついたアイデアを理解として覚え、必要なときに引き出す。

問題14 右のページは、留学生のために就職セミナーの案内である。下の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

74 留学生のリーさんは、日本のコンピュータ関連の企業への就職(しゅうしょく)を希望している。このセミナーでは企業の採用担当者に質問をしたいと思っている。リーさんは当日どうすればいいか。
1 個別相談の申し込みをしたうえで、11:00に7号館の1階大講義室に行く。
2 個別相談の申し込みをしたうえで、13:00に7号館の2階202に行く。
3 質問用紙に質問を記入したうえで、11:00に7号館の1階大講義室に行く。
4 質問用紙に質問を記入したうえで、13:00に7号館の2階202に行く。

75 このセミナーの参加者は当日どうしなければならないか。
1 履歴書(りれきしょ)を必ず持参しなければならない。
2 スーツを必ず着て行かなければならない。
3 受付で質問用紙を必ずもらわなければならない。
4 すべてのプログラムに必ず参加しなければならない。

東西大学「留学生のための就職セミナー」

        このセミナーでは、日本で就職活動を行う際に必要な情報やセミナーなどについて学びます。また、企業の担当者から具体的な業務内容について直接聞くこともできます。日本での就職を考えている人は積極的に参加してください。

  日時:平成22年11月30日(火)10:00~15:00
  参加企業:金融・小売業・情報・通信・貿易・商社など20社
  対象:平成24年3月までに卒業予定の本学留学生
  プログラム:
   第1部 日本での就職活動の進め方について(講師:本学就職課担当者)
       就職活動のマナー、履歴書の書き方、ビザの変更に関する諸手続きなど
   第2部 合同企業説明会(講師:各企業採用担当者)

      各企業の事業内容、採用方針など(質問は第3部で受ける)

   第3部 個別相談

    ①各企業の採用担当者による業務説明
     個別の質問を希望する者は、休憩時間を利用してあらかじめ質問用紙に記入しておくこと。用紙は会場受付にあります。
    ②本学の就職課担当者による履歴書の書き方指導
     履歴書の書き方指導を希望する者は、自分で書いた履歴書を持参すること。
    ※①②とも申し込み不要。
時間と会場:

時間 会場
第1部 10:00~10:50 7号館  一階大講義室
第2部 11:00~11:50 7号館  一階大講義室
休憩 12:00~13:00
第3部 13:00~15:00 ① 金融・小売業関係企業 7号館 2階201
情報・通信関係企業 7号館 2階202
貿易・商社関係企業 7号館 2階203
② 履歴書の書き方指導 7号館 2階204

注意事項:服装はスーツとし、筆記用具を持参すること。

     第1部、第2部では、途中入場・退場をしないこと。

問い合わせ:就職課  山田(01-2345-6789)


第三部分 聴解

答案用纸


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