かろうじて
かろうじて
書きことば的なかたい表現。日常の話しことばでは「どうにか」「なんとか」がよく使われる。他に似た表現として「やっと」「ようやく」がある。
1かろうじてV-た
(1) 試験の開始時間に、かろうじて間に合った。
(2) 試験のできは良くなかったが、かろうじて合格できた。
(3) 雨でタイヤがスリップした。危ないところだったが、かろうじて事故はまぬがれた。
(4) 国連の介入で、かろうじて武力衝突は避けられた。
(5) ひどい怪我だったが、かろうじて死なずにすんだ。
「やっとのことで…した」「ようやく…した」という意味。ぎりぎりでよい結果を得た場合や、最悪の状態を避けることができた場合に使う。「かろうじて…をまぬがれ」「かろうじて…せずにすんだ」「かろうじて…は避けられた」などの形でよく使われる。「やっと」には、結果にいたるまでに「長い時間がかかって」「たいへんな苦労をして」という含みがあるが、「かろうじて」には、途中の経過はかならずしも必要ではなく、結果に重点をおいた表現である。「やっと」よりもかたい書きことば的な言い方。
2かろうじてV-ている
(1) 毎日の生活は苦しいが、かろうじて借金はせずに済んでいる。
(2) 病人は機械の力を借りて、かろうじて生きている。
(3) 現代人は、毎日のストレスに耐えて、かろうじてバランスを保っているに過ぎない。
(4) 彼女も、かろうじて涙をこらえているようだった。
「やっとのことで」、している」「ようやく…している」という意味。(1)~(3)のように、「状態は良くないが、最悪の状態にはならずに、ぎりぎりで現在の状態を保っている」という場合や、(4)のように、たいへんな努力や苦労をして、現在の状態を保っている場合に使う。(4)は、「今にも泣きだしてしまいそうだが、努力 して我慢している」という意味。
3かろうじてV-るN
(1) この道は、車二台がかろうじてすれ違える広さしかない。
(2) 列車の寝台というのは、人ひとりが、かろうじて横になれる大きさだ。
(3) その家は、僕にもかろうじて買えそうな値段だ。
(4) 私の英語は、かろうじて日常会話ができる程度だ。
(1)~(4)のように、可能を表す表現とともに使われて、「やっと/なんとか/どうにか…できる程度のN」という意味を表す。「難しいけれども、ぎりぎりなんとかできる。しかし、それ以上の余裕はない」という場合に使う。
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